のび太の宇宙英雄記というドラえもん最高傑作を見た ネタバレあり

ドラえもんの良さの一つは真面目に戦う敵をチートと偶然でねじ伏せる

夢幻三銃士を超える偶然とチートで敵を倒し、どんなピンチも敵がかわいそうになる程の理不尽で何とかする映画だった。

 

とにかく最高である。

 

夢幻三銃士も敵は大真面目に世界征服しようとしているのをしずかちゃんを巻き込んで、おふざけあり、たまたまありで無双していく。それが痛快で見てて楽しいし、ラスボスを倒すシーンはGifアニメになっても面白い。
ただ、いかんせん。
夢幻三銃士の落ちは夢オチである。
すべて夢だしで済むのだ。実際、「気ままに夢見る機」の重要なかくしボタンをお母さんが押したり、返品業者が何も言わず回収して夢のエンディングのいい所で夢から覚める。
※まぁ、それも含めて夢オチの良さを引き出しているのだから脚本家は凄い。

 

 

映画の内容

宇宙英雄記も同じ路線の内容だ。

ストーリーをネタバレするとスーパーヒーロー物映画を撮る事になったのび太達、それに巻き込まれ、のび太達を宇宙ヒーローと勘違いしたアロンがポックル星を救ってほしいと頼み込む。
映画撮影の続きと思い込んだのび太達が快諾しポックル星へ移動する。
着いて早々宇宙海賊*1の下っ端を倒し、ポックル星の拠点を手に入れたのび太達は3組に分かれて行動する事に。

のび太とアロンがのび太のドジでたまたま悪巧みを行う重要拠点*2を発見する。
しかし、そこはのび太。的に直ぐ捕まってしまう。
そして、ドラえもんとしずかちゃん以外、全員捕まってしまうが、映画を撮影するひみつ道具「バーグ監督」の活躍等もあり、ドラえもんとしずかちゃんが皆を救出する事に成功した。

翌日、ポックル星のエネルギーで太陽を破壊するという敵の作戦を阻止する為、再出動するのび太達。
見事、敵の幹部達をやっつける事に成功する。
のび太は倒した幹部のベルトを偶然装着し、外そうと藻掻いてたまたま敵のアジトにワープした。

だが、やはりそこはのび太。攻撃力のないままアジトに行ってしまい、最初から病弱だったボス相手には無視され、粛々と作戦が進められてしまい、ポックル星の危機になる。
ポックル星がヤバいと怒るのび太の感情パワーで強化されたあやとりでボスを弱体化させる事に成功した。
しかし、ポックル星の危機は去っておらず、ギリギリでポックル星のエネルギーが照射されてしまい、太陽が破壊されそうになってしまう。

だが、ギリギリで止める事が出来たのび太達はポックル星のエネルギー砲を直撃して砕ける直前の太陽をバーグ監督の巻き戻し機能で時間を戻し危機を食い止める。

まさにチートである。

 

宇宙英雄記の面白い所

1.敵は真面目な悪者

敵は大真面目にポックル星のエネルギーを奪おうとする。

その為、ポックル星の原住民からの信頼を勝ち取り、スペースパートナー社と名乗りポックル星の発展を手伝う。その証拠に湾の真ん中に巨大タワー(ビームの発射台と地下にエネルギーを吸い取る機械あり)と温泉街と遊園地を作り、宇宙人向けの観光地づくりと提案し、実際に建造した。
すぐ壊すつもりの街なのに実際に遊園地は稼働し、タワーはデザイン的にも大きさ的にも立派である。
敵は真面目なのだ。

 

それに引き換えのび太達はどうだろう。
当初は映画撮影という事だったがリアルと分かってからもヒーローの格好を続け、グレードアップライトというパワーアップ道具で得意な能力を技とするのだが、のび太の技は何と「あやとり」である。敵を前に技を出すとあやとりを繰り出し、全く攻撃力がない。
ドラえもんは石頭で他にひらりマント等の道具を使って戦闘するが、のび太は透明マントぐらいである。
空気砲等の主力は多分、映画の冒頭で修理を出したのだろう。そうであってほしい。
持っていたらさっさとのび太に渡せと言いたい。

 

2.偶然につぐ偶然で物語が進む

なんと、のび太達もアロンというポックル星の青年も敵の計画や目的を分からないまま、スペースパートナー社を疑い、偶然、悪事の証拠(計画の盗み聞きとエネルギーを吸い取る機械)を見つける。

それが計画実行の前日である。圧倒的に時間が足らない。
当然、翌日(計画実行日)に兵器を破壊しに行こうとなる。

前日に負けた相手に気合で立ち向かうジャイアンは気合と根性でパワーアップし母から受けた張り手で敵を倒す。
しずかちゃんも偶然敵が飛んでいった方向が温泉街で温泉の多い所で水を操り敵を倒す。
そしてのび太は何と、しずかちゃんが飛ばした敵幹部のベルトが巻き付き、それは外そうと藻掻いた結果、敵のアジトに行ってしまう。
最終的に怒りであやとりがパワーアップし敵をあやとりの紐で包んで木端微塵にした。どういうこっちゃ。

高ぶった感情でパワーアップし敵を倒すのはヒーロー物の鉄板だが、敵から見たら理不尽極まりないだろう。
だが、それが良い。

敵を追い詰めた原因は全て偶然だ。

 

ポックル星のアロンが偶然地球の裏山に落ち、出てきた時、偶然、のび太達がヒーロ映画の撮影をしており、偶然のび太達もアロンをヒーロ映画の演出だと思い込み、ポックル星に向かう。
のび太が偶然、敵の地下施設を見つけ、偶然、敵幹部のベルトを使いアジトにワープする。

露骨に偶然が重なりすぎて凄い話のテンポが良い。

 

3.敵は負けてもポックル星の破壊に成功したのだが・・・

それでも敵は目的は達成しようとしていた。
ポックル星から吸い上げたエネルギーで太陽を破壊できたのだ。
だが、飛散する直前、のび太達は時間を止める事に成功し、ポックル星と太陽だけの時間を戻して敵の計画をギリギリ阻止できた。

凄すぎる。
都合が良すぎる道具たち。

 

都合が良い所が面白い

映画になるとドラえもんポンコツになるし、ジャイアンは頼りがいがあるし、のび太に勇気が溢れる。
この映画のアロンは一般的に考えて、星を守る事は出来なかっただろう。
ドラえもんに会えた事だけでも奇跡に近いのにこんな短期間で解決してしまったのだから。
アロンは星の外に助けを求めている内にポックル星が消え去っていたいてもおかしくない。

だけどドラえもんに会えた事で救えた。
それが見てて面白いし笑ってしまうのだ。

 

今後もこのような映画が出てきてほしいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:今回の真面目な敵

*2:ポックル星のパワーを集める地下施設